トラップ型EAは、値動きが小さい「静かな時期」に稼げません。2026年10月16日から20日にかけて、静かな時期に稼ぐ方法を6つ試しました。細かいトラップ・箱・ずれに乗る・スワップ・ほかの通貨ペアへ移る・時間帯のくせです。スプレッドを払っても残ったのは、5と10のつく日などの朝6時に買って9時に決済する「ごとうびの朝」だけで、それも0.1ロットで12年合計+11.3万円でした。

この記事を書いた背景

作り直したトラップ型EAを2015〜2019年で回すと、資金300万円で5年かけて+7.9万円しか稼げませんでした。「こんなに稼げないなら、やっている意味もない」と思い、静かな時期をどうするかを考え直しました。

2020〜2026年でも、2020・2021・2024・2026年は稼げない年でした。中身を見ると、静かな時期の相場は行ったり来たりするのではなく、ゆっくり一方向にずれていくことが多く、トラップが利確できないまま札がたまっていきます。EAの作り直しの進め方はAIと2週間でEAを作り直したに書いています。

この記事では、「直近10日の1日の値動きの平均が0.35円未満」の日を静かな時期と呼びます。

1つ目:細かいトラップ(スプレッドに負けた)

最初に考えたのは、静かな時期だけ5〜20pipsの細かい幅でトラップを張ることでした。値動きが小さいなら、幅も小さくすればいい、という考えです。最適化で利確・間隔・切る幅を変えて何十通りも回しましたが、どれも元の設定より稼ぎが減りました。

細かいトラップの1取引あたりの損益。スプレッドを払う前は約+0.6pips、スプレッドが約1.3pips、残りは約−0.7pips0スプレッドを払う前スプレッドを払う前:+0.6pips+0.6pipsスプレッドスプレッド:−1.3pips−1.3pips残り(1取引あたり)残り(1取引あたり):−0.7pips−0.7pips最適化O013・O014から。払う前は残りとスプレッドから逆算した目安
図1 細かいトラップの1取引あたりの損益(おおよその値)

1取引あたりの損益は約−0.7pipsでした。スプレッドは約1.3pipsなので、払う前でも0.6pips前後しか稼げていません。取引を増やすほど、スプレッドの分だけ負けが積み上がりました。

そこで発想を逆にして、静かな時期は今のトラップの新しい売り買いを止めるだけにしました。すると約7年の総損益は+165.4万円から+175.8万円に増え、途中で一番大きく減った割合も16.5%から14.3%に下がりました。止めるだけのほうが良かったのです。ただ、これは「静かな時期に負けない」だけで、稼げるようになったわけではありません。

2〜5つ目:箱・ずれに乗る・スワップ・ほかのペア

次に、ドル円の1時間足(2015〜2026年)を書き出し、スプレッドを込みで、静かな時期に使えそうなやり方を当てはめました。

やり方結果(0.1ロットあたり)
箱直近の高値と安値で箱を作り、上で売り・下で買い・真ん中で利確64通りのうち一番良い設定でも、2020〜2026年+6.6万円、2015〜2019年−8.2万円
ずれに乗る10日の高値・安値を抜けたら乗り、5日の反対側で決済静かな間だけ持つと、12年合計−0.1万円
スワップ静かな間だけ買って、スワップを受け取る12年合計−3.1万円。値動きの損がスワップより大きい
ほかのペアドル円が静かな日は、ほかの通貨ペアで稼ぐドル円が静かな日は、ほかのペアも静かなことが多かった

箱は、静かな日に作っても、20日の箱なら84%が20日以内に外へ抜けました。ただ、抜けて大きく飛ぶのは少なく、多くは箱そのものが少しずつずれていく形です。静かな時期の「ゆっくり一方向にずれる」動きに、箱も負けていました。

ほかのペアは、ドル円が静かな日にふだんより動いていた割合が、ユーロ円20%・豪ドル円32%・ポンド円34%でした(ドル円が静かでない日は58〜64%)。静かな日は、どのペアもそろって静かになりやすいということです。

6つ目:時間帯のくせ(残ったのは「ごとうびの朝」だけ)

最後に、1日の中の時間帯ごとのくせを調べました。いちばん強かったのは日本時間7時台のドル高でしたが、1時間の平均の動きは約0.013円で、スプレッドとほぼ同じです。取引すると何も残りません。東京時間の値幅をロンドン時間に抜けたら乗るやり方も、静かな日だけでは2015〜2019年がほぼゼロかマイナスでした。

スプレッドを払っても残ったのは、5と10のつく日と月末(ごとうび。土日・祝日なら前の営業日)の日本時間6時に買って、9時に決済するやり方だけでした。

静かな時期の手法を2015〜2026年の12年で合計した損益(ドル円0.1ロットあたり)。スワップ−3.1万円、箱−1.6万円、ずれに乗る−0.1万円、ごとうびの朝+11.3万円0スワップを受け取るスワップを受け取る:−3.1万円−3.1万円箱(一番良い設定)箱(一番良い設定):−1.6万円−1.6万円ずれに乗るずれに乗る:−0.1万円−0.1万円ごとうびの朝ごとうびの朝:+11.3万円+11.3万円2015〜2026年・ドル円・0.1ロットあたり・1時間足で計算(スプレッド込み)
図2 静かな時期に試したやり方の12年合計(ドル円0.1ロットあたり。1時間足で計算したおおよその値)

ごとうびの朝は、12年中10年がプラスでした。念のため、MT5のストラテジーテスターでも専用のEAを作って0.30ロットで回すと、2015〜2019年+11.8万円、2020〜2026年+25.7万円でした。同じことを平日すべての朝でやると、買う時刻と決済する時刻を変えた24通りがすべてマイナスでした。くせがあるのは、ごとうびの朝だけということです。

ごとうびの朝の年ごとの損益(0.30ロット)。2020年+7.6万円、2021年+7.0万円、2022年+1.9万円、2023年+3.2万円、2024年+5.3万円、2025年+2.8万円、2026年(10月まで)−2.0万円−4万0万+4万+8万2020年:+7.6万円+7.6万20202021年:+7.0万円+7.0万20212022年:+1.9万円+1.9万20222023年:+3.2万円+3.2万20232024年:+5.3万円+5.3万20242025年:+2.8万円+2.8万20252026年:−2.0万円−2.0万2026*ごとうびの朝・0.30ロット・年ごとの損益(*2026年は10月まで)
図3 ごとうびの朝の年ごとの損益(MT5のストラテジーテスター、0.30ロット、T076)

1日の負けは最大で−1.8万円と小さく、トラップの成績が悪かった10日とは重なっていませんでした。注文のタイミングのずれを入れて回すと、稼ぎは11%ほど減りました。

年10%には、まったく届かない

私の目標は、年10%くらい稼ぐことです。資金300万円なら年30万円になります。図2のとおり、静かな時期のどのやり方も、0.1ロットで年に数万円以下でした。ロットを上げれば稼ぎも増えますが、1回の負けも同じ倍率で大きくなります。

そこで、静かな時期は「稼ぐ時期」ではなく「トラップを止めて負けない時期」と割り切りました。ごとうびの朝は、トラップとは別のEAとして、0.30ロットで実際の口座に入れています。資金100万円での見込みは、年に約3万円の上乗せです。

まとめ

静かな時期に稼ぐ方法を6つ試して、スプレッドを払っても残ったのは「ごとうびの朝」だけでした。細かいトラップはスプレッドに負け、箱やずれに乗るやり方は、ゆっくりずれていく相場に負けました。ほかのペアも、ドル円と一緒に静かになっていました。

ごとうびの朝のくせは、過去のデータでの結果です。これからも続くとは限りません。これは私が試した記録で、このやり方で勝てると約束するものではありません。

よくある質問

トラップ型EAは、なぜ静かな時期に稼げないのですか?

私のテストでは、静かな時期の相場は行ったり来たりするより、ゆっくり一方向にずれていくことが多かったからです。トラップは戻ったときに利確するしくみなので、戻らずにずれていくと、利確できない札がたまっていきます。今のEAは、直近10日の1日の値動きの平均が0.35円未満の間は、新しい売り買いを止めています。

細かい幅のトラップにすれば、静かな時期も稼げませんか?

私が5〜20pipsの細かいトラップを試したときは、どの設定でも稼ぎが減りました。1取引あたりの損益は約−0.7pipsで、スプレッド(約1.3pips)を払う前でも0.6pips前後しか稼げていませんでした。

「ごとうびの朝」とは何ですか?

5と10のつく日と月末(ごとうび)の日本時間6時にドル円を買い、9時に決済するやり方です。2015〜2026年の1時間足では、0.1ロットあたり12年合計+11.3万円、12年中10年がプラスでした。平日すべての朝で同じことをすると、24通りすべてマイナスでした。過去のデータでの結果で、これからも続くとは限りません。

ごとうびの朝で、静かな時期の稼ぎを埋められますか?

埋められませんでした。年10%(資金300万円なら30万円)が目標でしたが、ごとうびの朝は0.30ロットでも年に数万円です。今は、静かな時期はトラップを止めて負けない時期と割り切り、ごとうびの朝は別のEAとして0.30ロットで足しています。資金100万円での見込みは年に約3万円の上乗せです。