米国の雇用統計の発表で、ドル円がどれくらい動くかを、2020〜2026年の81回で確かめました。発表から5分の動きの幅は、真ん中の回で約22pips、上位1割の回では112pips以上でした。20pips以上動いたのは53%です。消費者物価やFOMCも同じくらい動きました。ただ、動く向きは、発表から5分たったあとは当てずっぽうと変わりませんでした。

この記事を書いた背景

私のEAが1日で大きく減った日を調べたのをきっかけに、2020〜2026年の経済指標の発表74,133件と、ドル円の動きを書き出しました(経済指標の発表でドル円の向きを当てられるか7万件で確かめた)。その中から、発表ごとに「どれくらい動くか」をまとめたのがこの記事です。いちばん大きく動いたのが、米国の雇用統計でした。

雇用統計は、米国の雇用の数字(働く人の数の増え方や失業率)の発表で、毎月はじめの金曜日の夜(日本時間21時30分、冬は22時30分)に出ます。

調べ方

MT5に入っている経済指標のカレンダーと、ドル円の値動きを書き出すプログラムを作りました。発表ごとに、発表の時刻から5分の間にドル円が動いた大きさをpipsで数え、回ごとに並べました。平均ではなく「真ん中の回」と「上位1割の回」を見ています。何回かの大きな動きに平均が引っぱられて、ふだんの姿が分かりにくくなるからです。

雇用統計は、真ん中で22pips、上位1割で112pips

発表から5分のドル円の動きの幅。雇用統計は真ん中22pips・上位1割112pips、消費者物価は20pips・73pips、FOMC経済予測は24pips・57pips、FOMC金利決定は17pips・49pips、日銀金利決定は7pips・78pips真ん中の回上位1割の回(これ以上動いた)0pips40pips80pips120pips米国 雇用統計米国 雇用統計:上位1割 112pips(81回)米国 雇用統計:真ん中 22.2pips(81回)22 / 112米国 消費者物価米国 消費者物価:上位1割 72.8pips(81回)米国 消費者物価:真ん中 20pips(81回)20 / 73FOMC 経済予測FOMC 経済予測:上位1割 57.1pips(26回)FOMC 経済予測:真ん中 24pips(26回)24 / 57FOMC 金利決定FOMC 金利決定:上位1割 48.8pips(55回)FOMC 金利決定:真ん中 17pips(55回)17 / 49米国 小売売上高米国 小売売上高:上位1割 34.5pips(82回)米国 小売売上高:真ん中 12.1pips(82回)12 / 35米国 ISM製造業米国 ISM製造業:上位1割 38pips(82回)米国 ISM製造業:真ん中 11.2pips(82回)11 / 38米国 PCE物価米国 PCE物価:上位1割 30.8pips(80回)米国 PCE物価:真ん中 11.1pips(80回)11 / 31日銀 金利決定日銀 金利決定:上位1割 78.3pips(55回)日銀 金利決定:真ん中 7.4pips(55回)7 / 782020〜2026年のドル円。数字は「真ん中 / 上位1割」のpips
図1 発表から5分のドル円の動きの幅(2020〜2026年)
  • 米国の雇用統計(81回):真ん中は約22pips、上位1割は112pips以上。5分で20pips以上動いたのは53%
  • 米国の消費者物価(81回):真ん中は約20pips、上位1割は73pips以上。20pips以上は49%
  • FOMCの経済予測(26回):真ん中は約24pipsで一番大きいが、上位1割は57pipsで、雇用統計ほどは跳ねない
  • 日銀の金利決定(55回):真ん中は約7pipsとふだんは静か。ところが上位1割は78pips以上で、動くときは大きい

雇用統計は、ふだんの動きも大きく、たまに来る大きな動きはさらに大きい発表でした。上位1割の112pipsは、ドル円で約1.1円です。私のEAは20pipsごとに売り買いするので、5分で5段ぶん以上動くことになります。

動く向きは、5分たつと五分五分

「結果が事前の予想より強ければ、その国の通貨が上がる」という決まりで、日米の大きな発表205回の向きを当ててみました。

「結果が事前予想より強いと、その国の通貨が上がる」で向きを当てた割合。発表から5分は71%、通知を受けて動ける5分後から1時間後は48%、1日後46%、1週間後48%で、当てずっぽうの50%と変わらない0%25%50%75%100%発表から5分:71%71%発表から5分5分後→1時間後:48%48%5分後→1時間後5分後→1日後:46%46%5分後→1日後5分後→1週間後:48%48%5分後→1週間後当てずっぽう(50%)日米の発表で、5分で20pips以上動いた205回(2020〜2026年)「結果が事前予想より強い→その国の通貨が上がる」で向きを当てた割合
図2 発表の結果で向きを当てた割合(2020〜2026年、日米の発表205回)

発表から5分の向きは71%当たりました。ところが、ニュースを見て動ける5分後から先は、1時間後・1日後・1週間後とも46〜48%で、当てずっぽうの50%と変わりませんでした。どれだけ動くかはある程度分かっても、どちらに動くかは、発表の結果からは当てられませんでした。

私のEAでは

私のEAには、発表の時刻に止まる仕組みは入れていません。スプレッドが広がっている間は新しい売りを見送る仕組みだけです。EAが1日で大きく減った日の円高も、多くは発表の時刻以外に進んでいました。雇用統計のような大きな発表の予定を知らせることは、今後の課題として残しています。

まとめ

2020〜2026年の81回で、雇用統計の発表から5分のドル円の動きは、真ん中で約22pips、上位1割で112pips以上でした。消費者物価やFOMCも同じくらい動き、日銀はふだん静かでも動くときは大きく動きました。向きは、5分たつと五分五分でした。

これは私が過去のデータで確かめた記録で、発表での売り買いを勧めるものではありません。

よくある質問

雇用統計の発表で、ドル円は何pipsくらい動きますか?

私が2020〜2026年の81回で確かめたときは、発表から5分の動きの幅は、真ん中の回で約22pips、上位1割の回で112pips以上でした。5分で20pips以上動いたのは53%でした。

雇用統計と、ほかの発表ではどちらがよく動きますか?

私のデータでは、雇用統計がいちばん大きく跳ねる発表でした。消費者物価は真ん中で約20pips、FOMCの経済予測は約24pipsでしたが、上位1割の回は雇用統計の112pipsに対して73pipsと57pipsでした。日銀の金利決定は、ふだんは約7pipsでも、上位1割は78pips以上でした。

雇用統計の結果で、ドル円の向きは当てられますか?

私が日米の大きな発表205回で確かめたときは、発表から5分の向きは71%当たりましたが、5分後から1時間後・1日後・1週間後は46〜48%で、当てずっぽうと変わりませんでした。

雇用統計はいつ発表されますか?

毎月はじめの金曜日の夜で、日本時間21時30分、冬は22時30分です。これは私が過去のデータで確かめた記録で、発表での売り買いを勧めるものではありません。