この記事を書いた背景
4年前の失敗に似た相場をバックテストで再現すると、残高は増え続けているのに、裏で売りの札が積み上がって強制ロスカットになりました(残高だけ見ていると危険は見えない)。そこで、作り直しているEAに「危なくなったら止まる」しくみを入れることにしました。EAはAIと一緒に作っていて、その進め方はAIと2週間でEAを作り直したに書いています。
この記事のテストは、どれもMT5のストラテジーテスターで、資金300万円・1回0.05ロットで回したものです。
作っては壊した6つの形
10月14日に作ったものと、テストで起きたことを並べます。
1つ目は、4年前の失敗の再現(100万円で破綻)とは資金が違うので、そのまま比べられるわけではありません。それでも、破綻しない代わりに、高い値段で切った損が残り、取り返せないまま終わりました。守るために切った損は、あとから戻ってきません。
止める条件だけ作って、再開する条件を作っていなかった
2つ目は、いちばん意外な壊れ方でした。
2020年3月の急な戻りで、有効証拠金が整理を始める線(270万円)を下回り、23件を整理して−68.8万円を確定させました。残りの札も4月までに利確されて0件になりましたが、そのときの有効証拠金は約268万円で、線をわずかに下回ったままでした。
線の下なので新しい売りは出ません。札がないので、有効証拠金が戻ることもありません。こうして、2020年4月28日から2021年の終わりまで、売りが1件も出ませんでした。止める条件と再開する条件は、セットで作らないといけないと分かりました。直した版では、守る線に届いたら全部整理し、整理したあとの有効証拠金を新しい元本にして続ける形にしました(このときの考え方で、今の実際の口座では、守る線に届いたら止まるだけにしています)。
負けは4回の大きな負けに集中していた
5つ目の形を2020〜2022年で回すと、総損益は−136.2万円でした。ただ、中身を見ると、損のほとんどは1日で80万円以上を失った4回に集中していました。
- 2020年3月9日:コロナの急落で、買い21件を切って約−80万円
- 2022年3月22日:円安で、売り27件を切って約−157万円
- 2022年9月6日:円安で、売り25件を切って約−105万円
- 2022年11月11日:急な円高で、買い21件を切って約−100万円
どれも、動きと逆向きの札がたまり、守る線で一度に切った形です。同じ日にMT5に付いているサンプルのEA(ほかのやり方)とも比べましたが、どれもトラップ型に遠く及びませんでした。トラップ型の勝率は9割前後で、稼ぐ力は十分です。直すところは「まれな大きな負け」だけ、とはっきりしました。
対策を8通り試した
大きな負けへの対策を3つ考え、組み合わせを8通り試しました。
- A:流れが逆になったら、逆側の札を全部切る(含み益のものも)
- B:片側の札は10件まで
- D:損をする向きに5円離れた札を切る
A+Dで、悪い3年間を初めてプラス(+28.7万円)で終えました。1日で30万円以上を失う日もなくなりました。
6つ目の「損の大きいものだけ切る」「危ないときだけ切る」は、このAの切り方を弱めたものです。切るのを遅らせると、残した札がさらに離れて、もっと大きく切ることになりました。損切りは早いほど安い、というのがこのときの学びです。
期間を変えると、良し悪しが逆になった
ここで、同じ2つの設定を、その後の期間(2023年1月〜2026年10月)で回しました。
その後の期間では、対策なしが+177.7万円で一番良く、A+Dは+11.9万円でした。対策を入れると、流れが何度も入れ替わる時期に切っては仕掛け直すことになり、ふだんの稼ぎが消えていたのです。悪い時期を守る対策が、ふつうの時期には約166万円の費用になっていました。ただし、対策なしにも2024年4月26日に売り33件を一度に切って約−191万円という大きな負けが1回ありました。
そこで、MT5の最適化で両方の間をとる値を探しました。流れの線を日足の20日と50日に鈍くし、離れた札を切る幅を12円に広げると、2つの期間のどちらでもプラスになりました。2020年1月〜2026年10月を通して回すと+150.7万円、途中で一番大きく減った割合は36.7%でした。
まとめ
1日で6つの「止めるすべ」を作っては壊して分かったのは、守る仕組みにも費用があることです。整理すれば損が確定し、止めれば稼ぐ機会も止まり、切る対策はふだんの稼ぎを削ります。止める条件と再開する条件はセットで考える、損切りは遅らせない、良い結果が出たら別の期間でも確かめる。この3つを、その後の作り直しの決まりにしました。
これは私のEAで試した記録で、この形で勝てると約束するものではありません。
よくある質問
守る仕組みの「費用」とは何ですか?
守るために払う損や、失う稼ぎのことです。私のテストでは、守る線に近づいて札を整理すると損が確定し、止めている間は稼げず、逆側の札を切る対策はふだんの時期の稼ぎを削りました。悪い2020〜2022年で一番良かった対策は、2023年以降の期間では、対策なしより稼ぎが約166万円少なくなりました。
なぜEAが約20か月も止まったのですか?
整理している間は新しく売らない作りにしていたからです。札が0件になったとき、有効証拠金が整理を始める線をわずかに下回ったままで、線の下なので売りが出ず、札がないので有効証拠金も戻りませんでした。止める条件だけ作って、再開する条件を作っていなかったのが原因です。
損切りを遅らせると、なぜ悪くなったのですか?
流れが逆になったあと、損の大きい札だけ切る、危ないときだけ切る、という形を9通り試しました。どれも、すぐ全部切るより悪くなりました。待っても値段はあまり戻らず、残した札がさらに離れて、もっと大きく切ることになったからです。
結局、どの設定にしたのですか?
最適化で、悪い期間とその後の期間のどちらでもプラスになる値を探しました。流れの線を日足の20日と50日にし、離れた札を切る幅を12円にすると、2020年1月〜2026年10月で+150.7万円、途中で一番大きく減った割合は36.7%でした。そのあとも設定は見直しています。これは私のEAで試した記録で、成績を約束するものではありません。