証拠金維持率は「有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100」で計算します。必要証拠金は「持っている通貨の量 × レート ÷ レバレッジ」です。4年前の失敗に似た相場をバックテストで再現したとき、レバレッジ1,000倍の口座では、強制ロスカットの前日でも証拠金維持率は445%ありました。有効証拠金は100万円の元手に対して約9.5万円しか残っていなかったのにです。レバレッジが高い口座では、証拠金維持率は危険の目安になりませんでした。

この記事を書いた背景

4年前、私は自作のトラップ型EAで口座をほぼ失いました(自作トラップ型EAで300万→1,000万超、1週間の円安でほぼ全ロストした話)。EAを作り直す前に、似た相場をバックテストで再現して、残高と有効証拠金の動きを見直しました(残高だけ見ていると危険は見えない)。この記事では、同じ再現の数字で、証拠金維持率を計算し直しました。

再現の条件は、資金100万円、レバレッジ1,000倍、1回の売りは0.05ロット(5,000ドル分)、持てる札は40枚までです。

証拠金維持率の計算のしかた

証拠金維持率の計算。必要証拠金は、持っている通貨の量×レート÷レバレッジ。再現テストの2021年11月23日は、売り37枚(18万5,000ドル)×114.98円÷1,000で21,271円。有効証拠金94,695円を割ると445%証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100通貨の量18万5,000ドル×レート114.98円÷レバレッジ1,000倍↓ 必要証拠金有効証拠金94,695円÷必要証拠金21,271円=証拠金維持率445%例:再現テストの2021年11月23日(売り37枚×0.05ロット=18万5,000ドル)残高は約183万円あったが、有効証拠金は約9.5万円。翌日に強制ロスカット
図1 証拠金維持率の計算(再現テストの2021年11月23日の数字)
  • 必要証拠金:札を持ち続けるために口座に置いておく額。持っている通貨の量 × レート ÷ レバレッジ
  • 有効証拠金:残高に、持っている札の含み損益を足し引きした額。「今すべて決済したら残る額」に近い
  • 証拠金維持率:有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100。これが業者の決めた水準を下回ると、強制ロスカットになる

2021年11月23日の再現では、売りの札が37枚で、通貨の量は18万5,000ドルでした。レートが114.98円なので、必要証拠金は 18万5,000 × 114.98 ÷ 1,000 = 約21,271円です。有効証拠金が94,695円なので、証拠金維持率は約445%になります。

強制ロスカットの前日まで、数字は「安全」に見えた

再現テストの証拠金維持率。2021年1月5日46,606%、3月31日4,177%、9月22日5,658%、11月1日1,140%、強制ロスカットの前日の11月23日でも445%あった100%1,000%10,000%100,000%2021年1月5日2021年1月5日:46,606%(有効証拠金168万円・札7枚)46,606%有効証拠金168万円・札7枚2021年3月31日2021年3月31日:4,177%(83万円・札36枚)4,177%83万円・札36枚2021年9月22日2021年9月22日:5,658%(109万円・札35枚)5,658%109万円・札35枚2021年11月1日2021年11月1日:1,140%(24万円・札37枚)1,140%24万円・札37枚2021年11月23日2021年11月23日:445%(9.5万円・札37枚)445%9.5万円・札37枚目盛りは10倍ごと。翌日の11月24日に強制ロスカット(残り約2,000円)再現テストT016(資金100万円・レバレッジ1,000倍・0.05ロット)から計算
図2 再現テストの証拠金維持率の移り変わり(日ごとの値から計算したおおよその値)

2021年1月に46,606%あった証拠金維持率は、札が積み上がるにつれて下がりました。それでも、11月1日に1,140%、強制ロスカットの前日の11月23日でも445%ありました。100%を大きく超えているので、数字だけ見ると余裕があるように見えます。

ところが同じ日、有効証拠金は元手100万円に対して約9.5万円でした。残高は約183万円まで増えていたので、そこから見ると9割以上が含み損で消えていたことになります。翌日の11月24日、115.48円で強制ロスカットになり、口座には約2,000円しか残りませんでした。

なぜレバレッジが高いと目安にならないのか

レバレッジが1,000倍だと、必要証拠金がとても小さくなります。札を37枚持っていても約2万円です。そのため、有効証拠金が数万円まで減っても、割り算の答え(証拠金維持率)は数百%のままです。強制ロスカットの水準は業者ごとに決まっていますが、そこに届くのは、有効証拠金がほとんど残っていないときです。

計算の上だけですが、同じ札を国内の業者の上限であるレバレッジ25倍で持っていたとすると、2021年3月31日(札36枚、有効証拠金約83万円)の必要証拠金は約80万円で、証拠金維持率は約104%です。レバレッジが低いほど、同じ札でも証拠金維持率は早く下がり、早い段階で止まることになります。

作り直したEAでは

この再現から、作り直したEAでは、証拠金維持率は警告の知らせを出すだけにしました。レバレッジ1,000倍では目安にならないからです。代わりに、有効証拠金が最初に入れた元本の30%まで減ったら、すべて整理して止まる線を置いています。毎朝の知らせでも、証拠金維持率ではなく、残高・有効証拠金・札の数を見ています。

まとめ

証拠金維持率は「有効証拠金 ÷(通貨の量 × レート ÷ レバレッジ)× 100」で計算できます。ただ、レバレッジ1,000倍の口座では、再現テストで強制ロスカットの前日でも445%あり、危険の目安になりませんでした。私は、元本に対して有効証拠金がどれだけ残っているかで止まる線を決めています。

これは私が自分のEAで確かめた記録で、レバレッジや業者を勧めるものではありません。

よくある質問

証拠金維持率は、どう計算しますか?

有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100 です。必要証拠金は、持っている通貨の量 × レート ÷ レバレッジ です。たとえば18万5,000ドル分の札を114.98円・レバレッジ1,000倍で持つと、必要証拠金は約21,271円で、有効証拠金が94,695円なら証拠金維持率は約445%です。

証拠金維持率が高ければ、安全ですか?

レバレッジが高い口座では、そうとは限りませんでした。私の再現テスト(レバレッジ1,000倍)では、強制ロスカットの前日でも証拠金維持率は445%ありましたが、有効証拠金は元手100万円に対して約9.5万円しか残っていませんでした。

レバレッジが低いと、証拠金維持率はどう変わりますか?

必要証拠金が大きくなるので、同じ札でも証拠金維持率は早く下がります。計算の上だけですが、再現テストの2021年3月31日の札を25倍で持っていたとすると、1,000倍では4,177%だった証拠金維持率が約104%になります。

作り直したEAでは、何を見ていますか?

証拠金維持率は警告の知らせを出すだけにし、有効証拠金が元本の30%まで減ったらすべて整理して止まる線を置いています。毎朝の知らせでは、残高・有効証拠金・札の数を見ています。これは私の記録で、レバレッジや業者を勧めるものではありません。